卒業ライブ "17" の話

気付けば2019年も残りわずか、書こう書こうと思っていた卒業ライブから1ヶ月が経ってしまいました。

いや、違うの、悪いのはさ、GANMIが卒業ライブの前後に鬼のようにライブ詰めるからじゃん!?!?卒業ライブの前日も前々日も、4日後からもずーっとライブしてたんだからGANMIってほんと頭おかしいよね!!!(賞賛)

 

GANMIの元リーダーYutaくん、そしてMaakun、Chikaraくんの卒業の第一報が届いたのは忘れもしない10月4日、w-inds.さんの夏のツアーがファイナルを迎えた日のこと。

これについては本当に、なぜ、どうして、今言うんだと正直思いました。(知らんがな)

個人的にね、w-inds.さんの今年のツアーがめっちゃくちゃ好きで、15年以上ファンやってきて最も好きなセトリかもしれないとすら思ったツアーの最終日で、もう、ぐわ〜〜〜〜っとぶち上がった感情が、終わってスマホの通知見て、スンッてなりました。

それくらいの衝撃だった。

最終日の国際フォーラムですから当然他にもGANMIのファン友達が来てて、6人くらい?で集まってなんか変な空気の円を作ってみたものの頭が回らなすぎて

「マジで?」「なんで?」「いや、え?」

という語彙力のかけらもない言葉しか出てこなかったのを覚えています。

w-inds.ファンじゃない子たちの間で

「このままw-inds.のライブが終わらなければいいのに……」

と言われていたらしいのは笑いました(マジでそれな〜〜〜!)

ライブを一緒に観ていたのがハロプロヲタクとK-POPヲタクというメンバー卒業に関しては経験豊富なふたりだったので(やめろ)、優しくお世話してくれて本当にあのときはありがとう。

あんまり記憶ないけど。

 

逆にね、中学生の頃からずーっとw-inds.さんが好きで、大人になってDa-iCEも応援してきて、ここまで卒業とか脱退とか活動休止とかそういうことがまったくなく温室でぬくぬく育ってきたことが今思えば凄いなとは思います。

グループってそりゃあ色々あるよね、うん。

w-inds.さんも1年3ヶ月グループとしては動いてなくて、後から「あれは活動休止だった」みたいなことならあったけど(なにそれ?)

(あと一時期韓国勢にハマってたときはBIGBANGとCNBLUEが好きだったので奇跡的にオリメンが長く続いてた)

Leadのひぃさん(中土居宏宜くん)が卒業したときが、唯一まともにそういうことに直面したときだと思います。

そのときのひぃさんはそのまま芸能界引退だったし、もうほんとにわかだったけど最後のライブで他の3人に向けて手紙を読み上げた時とか死ぬほど泣いた覚えがあります。

見届けた、という意味ではその日そのライブを見れてよかったと思うけど、悲しさも寂しさもその時は全然変わらなくてこれからもう4人じゃないんだって実感できなくて結局あんまり行かなくなってしまった。

当時ひぃさんは「これからはLeadのリーダーじゃなくてLeaders(Leadのファンのこと)のリーダーになる!」って言ってくれたけど、じゃあYutaくんは「GANMISTのリーダーになる!」とか言うかというと……

まあ別にそれはいいんですけど(いいんかい)、だから、ぶっちゃけ卒業ライブに行っても悲しくて寂しくてしんどいんじゃないかなって不安で。

頑張ってきたメンバーにはめちゃくちゃ失礼な話だけど直前まで行きたくなかったです。

 

それがいざGANMIの卒業ライブを観たら、行ってよかったなって心から思えました。

わたしが撮った映像をYouTubeにアップしてあるので、ぜひ見てください。

オープニングからもう、勢いも凄いし歓声も凄いんですけど、本当に、本当にかっこよくて。

 

前日も群馬で見たはずなのに不思議なのが

わ〜〜〜GANMIだ!!!!!!!

って思いました。

いやGANMIのライブに来てんだからそりゃそうなんですけど。

わたしが初めて観て感動した時、そうだこんな感じのGANMIだったなって思いました。

個々のスキルはもちろん年々上がってるんだけど、作り出す空気感は懐かしい感じがして、全員が全身でかっこつけてるところがあの頃って感じでした。

偉そうに言えるほど当時を知っているわけでもなく、まともに追うようになってやっと1年半だけど、そんな初心を思い出して切ないような嬉しいような苦しいような気持ち。

卒業ライブって、卒業する3人のためのライブだと思ってたしたぶんそうなんでしょうけど、いざステージを観てるとまるで17人全員が卒業するような感覚でした。

わたしが勝手に感じたことだけど、

3人がGANMIを卒業するんじゃなくて、17人全員が17人のGANMIを卒業して14人のGANMIに進むメンバーとそうじゃないメンバーに分かれる

という方がしっくりくるんじゃないかなって。

それくらい、全員が魂を込めて最後のステージを作り上げているように、わたしには見えました。

そして同時にわたしたちファンも、17人のGANMIをみんなで卒業するんだなって。

 

先程のYouTubeで諸事情により音を消してある箇所があるのですが(お察しください)、この日最初で最後のパフォーマンスで『記念撮影』という曲を使用しています。

こちらはTwitterに音アリで上げてます。

もうこれが、涙腺をズタボロにぶっ壊してくれます。

映像からもわかるように端から観てたので、近くにダンサー仲間と思しきお兄さんたちもいたのですが、これ観ながらみんなで鼻を啜ってました。

これ観た時にね、思ったのが「一生に一度しか使えないアイデア」だって。

ふっとこの言葉が浮かんだわけではなく元ネタがあって、これはわたしが大好きな小説家の小野不由美さんが残穢というはちゃめちゃに怖いホラー小説を出したときに使っていた言葉です。

あ、記念撮影は1ミリも怖くないのでご安心ください。残穢はマジで怖いですけど。

どういうことかというとですね、小野不由美さんって最近『十二国記』の新刊が出て超話題の方なんですけど(書店さんに行くとたぶんどデカい展開とかしてあります)ファンタジーをリアルに見せるのが天才的に上手な方なんです。

ホラーって一種のファンタジーだとわたしは思ってるんですけど、彼女の書くホラーはサスペンスとかミステリーとかそういう類だと思います。

そんな小野さんが残穢で一生に一度しか使えないアイデアとして使用したのが、これまでの自分自身の経歴を主人公のプロフィールに織り交ぜるという手法でした。

映画版だとそのあたりの設定は消えていますが、小説版に出てくる主人公は少女小説のあとがきで読者の恐怖体験を募り、そこに届いたある話を取材しに行ったことで怪異と出逢ってしまいます。

この少女小説が、小野先生のファンであれば具体的な作品を思い浮かべてしまうのです。

何度か再編して今はハードカバーとして出ていますが、その昔ティーンズ・ハートというレーベルで発売されていた頃(しかも何度目かの再版以降は消えている)に確かに実在した、あとがきコーナーです。

「あれ?もしかしてこれ先生が実際に体験した話?」と思っているうちに物語の世界に引き込まれて、どこからが創作かわからなくなり、ファンであればある程に恐怖が増すという。

これまでの自身の作品作りや作品にまつわるちょっとした出来事全てを伏線に変えてしまう、まるで人生を賭けたような導入部。

もちろん何も知らないで読んでも十分に怖いので、夏になったらぜひ皆様読んでみてください。

なんとなく何が言いたいのか伝わっていたら嬉しいんですが、要はファンのみんなが何気なく見てきたもの全てを伏線に変えてしまう作品ということです。

メンバーそれぞれの一生に一度とは違うかもしれないけど、"17人のGANMI"の一生に一度しか使えないアイデアであり、人生を賭けた作品だと思いました。

残穢と同じように、何も知らないで観ても十分に感じるものがあると思います。

使われた写真の1枚1枚に当時の思い出や物語があって、観る人それぞれに感じ方が変わる、天才的な作品でした。

衣装が白いシャツなのも、当時の服を自然と写し出している気がしてよかった。

 

記念撮影でめちゃくちゃ泣いて、個人的に思い入れのあったパジャマネタで感動した後、事件は起こりました。

YouTubeをすでに見た方、会場にいた方はわかると思うんですが、アンコールが起こらない事件。

(見てない方はぜひ再生リストの最後の動画見てください。無音部分ノーカットです)

アンコールしないにしても普通、ガヤガヤしちゃうもんじゃないですか暗転のときって。

本編が終わったことに気付かないくらい体感速度は上がっていて、次にどんなことを見せてくれるのか期待が大きすぎて、GANMIへの信用度が高すぎた故に起こった数分間の無音タイム。

涙だけじゃなくここで笑えたところがGANMIらしさというか(全くの予定外の演出だけど)、結果としてなんだかすごく良かったと思います。

次に何を見せてくれるのかという期待と、GANMI側のファンがアンコールしてくれるだろうという期待がぶつかり合って生まれる、沈黙の謎タイム(笑)

きっといつか、あの日はたくさん泣いたけどアンコールで笑ったねって思い出話になるんじゃないかな。

 

泣いて、笑って、17人のGANMIも14人のGANMIも、そして3人のこれからも全部大好きだなって思えたそんなライブでした。

Yutaくん、Maakun、Chikaraくん、そして他のみんなも。

"17人のGANMI"を卒業おめでとう!



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