私たちのw-inds.が2人になってしまった
ある日突然、本当に全く考えもしなかった時に、私がずっとずっと大好きだったw-inds.が3人から2人になってしまった。
緒方龍一君の病気による脱退。
3人揃った姿を見たのは2月16日のZepp Tokyo公演が最後で、それ以降に予定されていた公演は新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響で中止。
3月の公演はデビュー19周年の記念日だったのに、お祝いすることもできないまま。
ああ、来年の20周年は今年の分まで盛大にお祝いできたらいいなと仲間内で励まし合っていた矢先の出来事だった。
今まで周囲で色んなグループが色んな事情で形を変えてきたのを見て、特にw-inds.のファンにとって一番身近だったのはLeadの中土居宏宜君が卒業した時だったと思う。
卒業公演には私も行ったし、中土居君からの3人のメンバーへの手紙は号泣して聞いていた。
それでも、何を見てきていても、3人で19年も走り抜けてきたw-inds.は絶対に変わらないんだと信じきっていた。
私には中学生の頃から2010年まで、常に一緒にw-inds.のライブに行く友人がいた。所謂、相方というやつだった。
それがw-inds.の10周年を目前に、彼女は東方神起のファンになり、しかも5人揃った姿を見ることの無いままにメンバーが分裂してしまった。
その後の彼女は別の韓国グループを好きになったけれど、無理をしてでも行ける公演全て行かないと気が済まない、常に切羽詰まったような状態になってしまっていつの間にかw-inds.には来なくなった。
そんな様子を見ながら私は、他人事のように
「こんな状態になってまで応援するのはよくないな」
と思っていた。
けれど、そんな風に思えたのは私がw-inds.を好きでいたからで、そんなことがあってから10年もの間のんびりと応援していられる存在であったからこそだと今更気付かされる。
ここ数年の夏のツアーでは、初日と最終日と数箇所のチケットだけ取っておいて、その年のセットリストが好きだったらもう何公演か追加でチケットを買うなどという、ブルジョワな推し活をしていた。
何の心配もなくそんな風に過ごせたことが、どれだけ贅沢だったんだろう、幸せ者だったんだろう。
私が好きなのは慶太君で、これからも彼は変わらずw-inds.にい続けてくれる。歌い続けてくれる。
もう少し心にゆとりのある私だったら、
「一番辛いのは龍一君のファンだから」
とか格好つけたことを言えたと思う。
自分は当事者ではないと思えたと思う。
いざ、現実に起こってみると、私は当事者だった。
私自身が辛くて、悲しくて、悔しくて、寂しくて、泣いていた。
私が見る限り誰のファンなんて一切関係なく、w-inds.を好きなみんなが泣いていた。
今も泣いている。
w-inds.が3人であること、あの3人だからこそ大好きだったんだと改めて思い知った。
私たちは3人揃った姿しか知らない。
グッズだって三角形をモチーフにしたり、三色だったりで、w-inds.といえば3だった。
背の高い慶太くんを真ん中に据えた綺麗なシンメトリーがw-inds.だった。
いつだって気を回してトークを盛り上げてくれたのも、ファンの気持ちを汲み取ってくれていたのも、ふたりのことが大好きで誰よりもふたりを褒めていたのも龍一君だった。
それでいて本人はなんでも器用にこなせて、どんなジャンルのダンスも自分のものにして踊れて、歳を重ねるごとに魅力的になっていく人で、もっともっとこれからを知っていきたかった。
脱退理由が病気である以上、それは休むのが正しいと思う。
さすがにいい大人なのでそんなことはわかる。
私だって龍一君が元気に生きていってくれることを望んでいる。
そんなの当たり前じゃん。
わたしはこの件を通して、
正しさと悲しさは全くの別物なんだ
と痛感した。
正しいことは何でも受け入れなきゃいけないのか?
決してそうじゃないと思う。
正しい選択であったとしても、むしろ正しいからこそ事態は変えられず、ずっとずっと悲しい。
私の心のどこかには、w-inds.を好きになった頃の中学生の自分がいて、「こんな未来見たくなかった」って泣いてると思う。
大人になるとそんな自分を慰められるようになるはずなのに、今は中学生の自分と抱き合って嫌だ嫌だって泣くしかできなくて、「仕方ないんだよ」で飲み込むことなんてできない。
むしろこれが正しいことじゃないなら泣かないし、もう一度3人に戻れるようになんだってすると思う。
正しい選択だから、今泣いて泣いて頑張っている。
当事者になってみて初めてこんな気持ちになった。
脱退が正しいことであったとして、この先2人のw-inds.を受け入れていくことだけが正解ではないと思う。
3人の姿を追い続けてもいいと思う。
これから先に出る曲は2人でいいけど過去の曲はやっぱり3人がいいとか、そういう受け入れ方でもいいと思う。
w-inds.を聴けなくなる日もあると思う。
私は、w-inds.ファンの皆さんが「龍一君の身体が一番だから仕方ない」と辛い気持ちを押し殺して無理をしてしまわぬよう、願ってます。
なかなかこのご時世でファン友達に会うこともできないけれど、この先の光も見えなくて苦しいかもしれないけれど、頑張ろう。
きっと、「これが一番正しいから」って周りからも言われると思う。
それでも私たちは泣いてていいんだよ、っていうことを伝えたくて書きました。